今月の三輪山

今月の三輪山

三輪山の頂よりか雲湧きて大和の空を覆ひつくしぬ
雪の残り杉葉凍れる三輪の道二月の風に押されて登る
磐座の杉の葉先のたまゆらも凍りてをりぬ三輪の山頂
素足にて落ち葉を踏めばさくさくと霜柱つぶれる三輪の道行く
凍りたる三輪山頂に額ずきて奥津巌の無音を聞けり

(根本 幸夫)